新規清掃員はこれを聴け!初心者向け、BiSHの7曲

 進研ゼミのうるさい季節となりました。春に鳴くセミ、何だか不思議ですね。「鳴く」、といえば「さえずり」。ということで、今回はPodcast「朝のさえずり」で魅力を語る「BiSH」のお勧め楽曲入門編を予習としてやっていきたいと思います。

「BiSH-星が瞬く夜に-」

 BiSHのテーマ曲であり、グループの船出となった楽曲。キャッチーなギターリフから始まり、サビで爆発するポップ且つ、パンクな展開がカッコいい!ライブでの演奏率もほぼ100%で、メンバーと客との一体感も含めこの楽曲の魅力です。気づいた頃には貴方も踊っていることでしょう。散々擦られたネタではありますが、「新生クソアイドル」である彼女らが、MVで馬糞をかけられている姿も最高にパンクなので、ライブと合わせチェックしてみて下さい。

「beautifulさ」

 2000年代の青春パンクらしい音であるものの、メンバーであるリンリンの歌詞によって、それだけに留まらない世界が広がるこの楽曲。ネガティブな歌詞から始まり、その要素を完全に消し去らないながら前を向き、トゲトゲダンスまで踊ってしまう。松隈さんとSCRAMBLESによるフックは勿論、表現者リンリンだからこそ書ける、人間臭すぎる歌詞のセンスも光る楽曲だと思います。

「オーケストラ」

 言わずと知れたBiSHの代表曲であり、転機となった曲。メンバーの声を際立たてるために、わざとドラムの音を汚くし、落ちサビのストリングスの広がりにもこだわるサウンドの作りは圧巻です。また、松隈さんのディレクションである「ブレスの使い方へのこだわり」をメンバー全員が完璧にこなしていて、歯切れ良いよりエモーショナルな仕上がりになっています。「元メンバーのハグ・ミィに向けた曲なのでは?」という解釈があるこの楽曲は、誰よりも彼女の近くに居たメンバーが歌うからこそのもので、彼女達にしか出せない世界観が色濃く現れている楽曲です。

「プロミスザスター」

 「J-POPでこんなに暴れるか!」と思うようなパンキッシュなバンドサウンドとストリングス、ピアノが融合し、松隈さんの素晴らしいメロディーの上で素晴らしい歌声とダンスが乗る大名曲。我々清掃員のことだとも捉えられる「君」というフレーズと誓いの意味を持った「プロミス」。そして指の皮を噛みちぎって、星に誓う振り付け。アイナが心から叫ぶ「プロミスザスター」に我々清掃員は、花にもやれないしょうもない水が目から流れて止まりません。

「Nothing.」

 絡み合う歪みまくったギターと美しいピアノ、シンバルの入れ方、這うようなベースライン。どれをとっても非の打ちどころがない、炭酸水のキャップを開けたかのような、爽快な音。そんな土台の上でBiSHが暴れます。前身グループBiSのこれまで、BiSHのこれまで、そして自分自身のこれまでの人生を全てひっくるめて、BiSHという存在としてこれからも生き続けることの決意へと繋げるモモカンの作詞。そして、モモカンと同じ方向を向くアイナ、チッチ、ハシヤスメ、リンリン、加入して1年にも満たないアユニの決意と希望が歌に乗せられ、最高にエモーショナルな楽曲になっています。

「My landscape」

 ストリングスやバンド等、触れるべき点は多くありますが、やはりこの曲は歌が素晴らしい。しっとりとしたAメロから、ブレスの刻みが細かく、リズム楽器のように声を扱うBメロ、そして楽器の音が消え、ギターのような危うさと繊細さを両立したサビ入りからリズミカルに爆発しまくるサビ。一曲でここまでの表現ができるのか、と震えるほどの凄まじさです。そしてこの曲はライブが凄い。歌声の生々しさ、来るもの全てを振り払うようなダンス。個性を爆発して、ブチかましてやろうじゃないか、そんなメッセージが伝わります。

「NON TiE-UP」

 バッキバキのストリングスとバンドサウンドが、J-POPの定石からは外れた編曲で展開し、その上を皮肉な歌詞で歌う、超パンクなBiSHのダーク曲。タイアップ付きのシングルとの同時ゲリラ発売だからこそできた、本来のBiSHの2面性、優しさ以外の側面を世間に知らしめた楽曲だと思います。下ネタと皮肉を、シャウトで違和感なく、クールに歌ってしまうガールズ・グループ…これがBiSHが「楽器を持たないパンクバンド」たる所以です。

紹介した楽曲をプレイリストにまとめました↓

ロングタイム雪之丞

JASMINEライターとして数多くの名記事を手がけてきた。 『邦楽名盤旅行』をはじめとする連載記事も持つ敏腕批評家。