【コラム】「流れゆく雲を眺めて」2021年09月04日 4回

窓から久しぶりに空をじっくり見つめてみた。忙しい現代ではこんな時間を贅沢と呼ぶのだろうか。

小さい頃、「雲は動いている」ということに気づいた時の驚きと感動はいまも忘れがたい記憶だ。「雲は動いている」という事実はなんとなく知ってはいたものの(天気は変わるから)自分の目で雲を見つめて、雲が少しずつ動いていることを発見し、その事実を体感するということは鮮烈な体験であった。

いつからだろう、そのような機会が減ったのは。知識と経験が積み上がれば、「当たり前」と片付けてしまうことが多くなるような気がする。当たり前の発見と体感が一番美味しいところなのに、いつの間にか、そのことを忘れてしまう。

この世界にはたくさんの事象やモノがある。それを単なる味気のない事実と決めつけ、新聞の見出しや教科書の語句のようにサラッと流してしまう。もったいない。

一生かけても食べきれないご馳走が広がっているのに、なぜあなたは「もう楽しいことなんかない」と言ってしまうのだろう。

もう一度じっくりと見つめよう。

流れゆく雲はいつまでも穏やかで美しい。

良い一日を。

Σ

Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。