【今週の一冊 #14】『青森 1950-1962 工藤正市写真集』

書名 青森 1950-1962 工藤正市写真集

著者 工藤正市

出版社 みすず書房

おすすめポイント

今回はとある「写真集」を紹介する。1929(昭和4)年青森市生まれ、2014年に84歳で亡くなった写真家、工藤正市の写真集である。舞台は青森。
彼が生涯を共にした青森の風景と人々を仕事の合間に撮りつづけ、1950年代にいっときカメラ雑誌に投稿したほかはだれにも見せることなく、家族にすら知らせないまま一生を終え、没後になって家族が膨大なネガの束を発見。スキャンした画像をInstagramにアップしたところ世界的な反響を呼ぶようになった、ヴィヴィアン・マイヤーにも通じる「発見の物語」である。
ここまでだと、他の写真集と何が違うのかあまり分からないと思うが、この写真集の特徴を一言で表すなら、「綺麗じゃないが美しい」と私は言いたい。
多くの写真集はとにかくかっこよく綺麗に「映える」写真に傾倒してしまう。もちろん、それはそれで良いのだが、この写真集は「ノスタルジー」や「おしゃれ」「味わい深い」といった言葉で片付けられるほどのものではない。正直、表す言葉が見当たらないが、極端に言うならば血腥い。青森という舞台を通して感じられるのは人間というものの生き様である。ぜひ、どこかで一度手に取っていただきた作品である。

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Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。