【コラム】「人間は冬眠する」2021年12月11日 49回

◆私たち人間は都合の良いように自分たちのことを「動物だ」と言ったり言わなかったりする。生物学的に言えば動物ではあるが、私たちは心のどこかで「動物」と自分を切り離して考えているところがあると思う。知識や技術が優れており、言語を持ち高度な文明を築き上げている私たちが君たちと同じですよ〜とウサギに言ってみたら、きょとんとした顔でこちらを見つめてくるだろう。(無論、この時点で言語が通じていない)

◆人間は自分たちが生み出してきたものを後の世にも継承し続けていく責任があると思うし、「他の動物たち」には創り出せないものを創造することは人間に生まれた一つの宿命とも言えるだろう。他の動物が憧れの眼差しで人間を見ていたとして、人間が自分たちと変わらない生活を送っていたら、「使わないなら、その言語ちょうだいよ!」「その脳みそちょうだいよ!」と思うかもしれない。だから、そういう意味では与えられた恩恵を十分に活用することが大事だとは思う。

◆その一方で、「同じ動物であること」も忘れてはいけないなと思った。あくまで生物学上「ヒト」は動物であり、自然の賜物である。だから、私たちは節々で自然の摂理に抗えないことに気づき、その強靭さに慄く。もちろんそれは、人間以外の部分(気候や災害、物理現象など)においても感じるし、自分自身に対しても感じるのではないだろうか。私はたまに「こんなに高度な文明を築き、科学技術が発達しても、睡眠を取るという自然の掟を制した者は一人も無いなぁ」と考える。スマートフォンが生まれ、強力な武器が生まれ、大きい建造物が生まれても、私たちは結局睡眠をとってしまう。取らなかったら──命を落とす。そういうときに、私は人間は動物であり、自然という世界においては極めて無力であることにちょっとした寂しさと安心感を覚える。きっとこれらは矛盾しない感情なのだろう。

◆人間の強みを生かした上で、私たちは動物であると思うべきだろう。頑張りすぎたときや疲れてしまったときには動物なんだから当たり前と割り切って休んでしまえば心も少しは楽になるかもしれない。熊は今頃冬眠しているが、人間は今日もせかせかと働いている。

■これだから人間ってやつは面白い。

Σ

Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。