【コラム】「光は星を見ることを忘れさせた」2021年12月16日 54回

◆現代の夜は明るい。それは言わずもがな電線が張り巡らされ、電柱があちこちに立てられ、LED発光の街灯がつき、店舗や様々な施設、その果てにはイルミネーションやライトアップが生まれたことによるものだ。日中は太陽が出ていて明るく、日が暮れればすぐに街灯が点灯し、時間が深まっていくにつれて、店舗は自らの宣伝や印象を強くさせるために光を強める。そして、今の時期なんかは街中に大きいイルミネーションが作られている。仕事から終わって、電車に揺られる時も蛍光灯に照らされ、電車を降りて歩けば街中の煌々とした光に照らされ、家に入れば電気をつける。そして僕は思うのだ、光は星を見ることを忘れさせるということを。

◆星座はなぜあるのか。先人が空を見上げて、星を見つめていたからだ。本来、地球の夜というものは暗く、いつ外敵に襲われるか分からない危険な時間だった。そんな中、空に輝く星たちは私たちの生活と心の支えであったのだ。でもいつからか、電球というものが生まれ、その光が空を覆うようになってしまった。現代人は眩しい街を呆然と歩くか、四角い板を片手に持ちながら下を見て歩く。何億光年先から届く奇跡の光には目もくれず、人々はいかに速いフィードバックを行うかばかり光に求めていた。自分の指と画面から発せられる光にどれほどラグがないかばかりを追い求めて。いわば光を操ろうとしていたのかもしれない。光さえ操れれば、人類が恐れていた夜は排除できる。

◆地球は24時間かけて一回転する。(時期によるが)昼と夜は半分ずつ。でも、今は全面が昼。まるで、地球の外側にもう一個太陽があるように。本当にそうだったら地球は疲れるし、地球が疲れれば人間も疲れる。人間は自然にはいつまでも抗えないのだから。光はいろんなことを便利にした。だけど、その分とまでは言わないけど何かを失った。街灯があれば安心だし、イルミネーションやライトアップを見れば癒される。光がダメなんじゃない。だって星も発しているのは光なんだから。でも、あの光はこのぐらいならお好きにどうぞ、と自然が許した光なんだと思う。だけど、私たちは自然に許可をもらわず思いっきり光を放っている。それは自然も若干不満を感じているだろう。だから、もう少し自然に寄り添って、優しくあかりを灯そうよ。

■光ってほんとすごいよなぁ。

Σ

Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。