【コラム】「エスプレッソとカフェイン」2022年01月06日 75回

◆カフェインが多く含まれる飲み物の代表例としてよく挙がるのが、玉露だ。コーヒーと思った人もいるかもしれないが、ドリップコーヒーの標準的なカフェイン量は150mlで約100mgであるの対して玉露は150mlで約180mgである。これをみるとカフェインといえばコーヒーというイメージの人からすると、その約1.8倍以上も多くカフェインを含む玉露はカフェイン界の頂点のように思える。ここで紅茶派の皆さんの声が聞こえてきたのでご紹介しよう。紅茶はコーヒーよりカフェイン量が多いと言われるが、そもそも紅茶は一回の抽出に使う茶葉の量が少ないので、結果として淹れた後のカフェイン量としては150mlで約30mgとなる。それではやはり、玉露を動かすことはできぬのか。

◆もうお気づきの方もいるかもしれないが、コーヒーというジャンルにおいて選抜した選手がドリップコーヒーだけというのは実に不合理だ。コーヒーにはたくさんの名選手がいる。その中でも一層、カフェインの潜在能力があるのは「エスプレッソ」だ。待ってましたという人もいれば、なんでエスプレッソが、と思う人もいるだろう。両方の推測は間違ってはいない。そもそもドリップコーヒーとエスプレッソの違いとして、ドリップコーヒーは時間をかけて200ml前後抽出するのに対し、エスプレッソは圧力を瞬間的に強制的にかけて25〜30mlほどの少量を抽出する。そして、ここにおいて大事になってくるのが、豆の量だ。抽出できる量が約15%ほどだったらエスプレッソは使う豆の量も少ないように思えるが、実は(人に好みによるが)ドリップコーヒーと然程変わらない豆の量を使うのだ。よってドリップコーヒーのカフェイン量は先のとおり150mlで約100mgであり、エスプレッソでは30mlあたり約60mgである。ではカフェイン対決、ドリップコーヒーの勝ち、とはならないだろう。通常の飲料で見れば間違ってはいないのだが、この勝負では公平性を保つために同一の量のもとで審査しよう。それでは量を150mlに統一しよう。(ここでは、カフェイン量は豆の量に比例すると考えることとし、エスプレッソは30mlあたり10gの豆を基準に5倍の50gの豆をしようすることとすると)突如としてエスプレッソがカフェイン量約300mgという圧倒的な結果で、玉露をも落として王座に君臨した。

◆もちろんこれはエスプレッソを通常はありえない量で強引に基準を揃えたものなので正確性には欠けるし、日常でも役に立たないが、この結果から言えることはやはり必ずしも見た目や現在の力が全てではないということだ。エスプレッソのように爪を隠していざというときに強くありたいものである。

■エスプレッソは30mlがベストです。

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Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。