【コラム】「超新星爆発」2022年01月08日 77回

◆星の最期が初めてリアルタイムで観測されたらしい。地球から約1億2000万光年離れた銀河「NGC 5731」に位置していた、爆発前の質量は太陽の10倍もあった赤色巨星だ。星の一生が終わる原因は、星の核融合反応に必要な水素が使い果たされるのと共に水素の燃えかすであるヘリウムが内部に溜まり、星は徐々に赤みを帯びた「赤色巨星」となる。そして元の質量が太陽の8倍より小さい恒星は白色矮星となり、その後熱が冷めていき黒色矮星となる。今回観測された星はその質量が8倍以上であるため、中心部で分解が起きて圧力が下がり重力崩壊が起きる。この時に爆発が起これば、それは超新星爆発といわれる。超新星爆発の後は星のほぼ全てが吹き飛ばされるが、中性子星やブラックホールができることもある。また、爆発の際に放出された、あるいは爆発前から漏れていた水素が次の星の命の源となり、寄り集まって新たな星を形成する。

◆自分が亡くなってもその一部から新たな命が生まれるとは、とてもドラマチックな終わり方であり、始まり方だ。そう思うと人間とは違って、星たちは死を惜しんでいないように思える。多くの人間は歳を取っても死という存在に恐れている。中には私はもういいなどと思っている人もいるが、きっと心のどこかにはそういう気持ちの一片があるのではないだろうか。その最期も虚しいものだ。その死に際の実際の感覚はわからないが、しんみりとした感じは伝わってくる。対して星は大爆発をして息を引き取る──なんて豪快だろう。そしてその去り方にどこか美しさを感じてしまう。実際に、今回観測された星も非常に綺麗だったし、もうすぐ(約10万年以内に)重力崩壊型超新星爆発を起こすだろうと言われているオリオン座の赤色超巨星であるベテルギウスも非常に一段と際立って輝いて見える。

◆星は初めにも盛大な爆発を起こし、最期にも大爆発を起こす(先述のとおり起きないものもある)。まるで「よくぞ生まれてきた!」とスタートのクラッカーを鳴らし、最期は「お疲れ様でした!」とゴールのクラッカーを鳴らしているようだ。人は最初はよくあるが、ぜひ終わりでもそう言えるようになりたい。それが言えない要因としては多く人は元気な状態から突然亡くなるのではなく、じわじわと弱って(時には苦しみながら)亡くなっていくからだと思う。それを見ると、やはり星との間に差を感じてしまう。形はそうでなくても、心は星のように広く、その終わりを受け入れたいものである。

■無限に見える星にも終わりがあるのだからと思えば少し頼もしい。

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Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。