【コラム】「Greenlightに鑑みる投資教育」2022年01月14日 83回

◆アメリカで話題となっているスタートアップ企業、Greenlight。お金に対する教育を重視している同国と日本でのその意識格差はますます広がりつつある。Greenlightは子ども向けのデビットカードを提供しているフィンテック企業だ。8歳以上の子どもをターゲットとしているが、実際のところ年齢制限はないため、5歳でも自分の口座とデビットカードを簡単にもつことができる。さらに、この企業が注目を浴びている理由としてそのUIの使いやすさと運用ができるという2点にある。1点目に関しては、口座というと味気ない通帳やカード、あるいは複雑なオンラインサービスを思い抱くことが多いが、同社はカードとアプリを中心に行う。シンプルで可愛いらしい子ども心をくすぐるUIで自分の残高の確認や決済などを子どもでも見やすく簡単に行えるようになっている。

◆アメリカはキャッシュレスが進んでいるため、お小遣いを親のスマホから子どものスマホへアプリを経由して送金するというシステムが一般化しつつある。それを同アプリで行ったのちに、そのお小遣いが入った口座からカードを使って店で買い物をすることができる。そしてこのサービスの驚くべき2点目は、運用ができるということだ。子どもがお小遣いなどの収入をもとに、そのお金を用いて投資をすることできるのだ。アプリ上に見やすく表示された株価を子どもが楽しげに眺め、どこにいくら使ったらどれほどのリターンがあるかを懸命に考えてお金を託す。成功したり失敗したり、その経験をもとに推測を行なって、自分のお小遣いを増やそうと頭を悩ます姿は大人と変わりないだろう。子どもの柔軟な発想で、大人を遥かに上回るリターンを得ている子どももいるかもしれない。アメリカには当たり前のように5歳の投資家がいるかもしれない。

◆このお金の教育という観点においては日本はかなりの遅れをとっている。実際、小学校や中学校ではほとんど何も教えられない。教えられたとしても、それは「賢い消費者」になる方法だ。でも今の時代に求められるのは「賢い投資家」になる方法だろう。それをリアルのお金を用いて考えさせるアメリカのやり方は秀逸だ。子どもだからといって教えず、大人になっても見えないリスクばかりにとらわれていては一向に投資家は現れない。我が国もそろそろ、お小遣いのやりくりの仕方ではなく、増やし方を考えさせる時期ではないだろうか。

■人類最大の発明である複利を知らない子どもがほとんどである。

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Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。