【コラム】「エスパーじゃなきゃ無理」2021年09月23日 23回

一部だけを見て全体を知るということは困難である。

抜粋された文章を読んでも共感できなかったり理解できなかったものも、全体を通して読んでみると共感したり納得できることがある。実際に「完全成立した抜粋」が起こることはまずない。

「完全成立した抜粋」とは、全ての文章から特定部分を抽出し、本文の内容と相違なく読み手に伝えて、本文全体を読んだのと同等の効果を読者に与えることである。だから、これを行うためには、素材的な要素と技術的な要素の二つの側面からみて可能でないと起こりえないだろう。

そう考えると、要約をするという行為の難しさがよく伝わる。確かに、切り取るという意味だけでの要約であれば比較的簡単ではある。本文中の重要度の高い文を切り取って要約の型に貼り付けるだけだからだ。

しかし、前述の内容を行うことは切り取り作業ではないのは既にお気づきだろう。ある種、その意味での要約とは第二の著者を形成しているとも言えるだろう。(ただし、あくまで要約であるため主観は入らず、第一の著者の意思をそのまま受け継いだ著者といってもいいかもしれない)

素材的な要素と技術的な要素、というように「何を」要約するかも大事であり、どのように要約するかも大事である。2021年09月07日のコラムで「引用には知性が現れる」と言ったが、それにも通づる部分があるのかもしれない。

良い一日を。

Σ

Pythonとジャスミンを創りました。好きな言葉は「知崇礼卑」です。